专利摘要:
外科用メスを滑らかにする(スムージング)、鋭利化する、脆弱性を減少させてメスの亀裂、削欠または破損の確率を減少させる、またはメスを親水的にするため、メスのガスクラスタイオンビーム照射を含む、結晶性および/または多結晶性外科用メスの改良方法およびシステム。結晶性または多結晶性外科用メス(シリコンなど)は改良特性を有する薄膜切開エッジを有する。
公开号:JP2011512173A
申请号:JP2010545247
申请日:2009-02-02
公开日:2011-04-21
发明作者:カークパトリック,ショーン,アール.;スブルーガ,リチャード,シー.
申请人:エクソジェネシス コーポレーション;
IPC主号:A61B17-32
专利说明:

[0001] 本発明は一般的に外科用メスなどの切開刃およびナイフに関し、特に、ガスクラスタイオンビーム技術を使用した結晶性および/または多結晶性外科用メス特性の改良方法およびシステム、並びに改良外科用メスに関する。]
背景技術

[0002] 近年、結晶性および/または多結晶性シリコン製の外科用メスが、医療目的による哺乳動物の外科切開に導入されている。これらのメスは従来の金属メスよりも有利な多くの特徴を提供し、ダイヤモンドメスよりも経済的にも有利である。これらは比較的安価に製造でき、使い捨てメスとして利用されることが多い。結晶シリコンは外科用メスの材料として多くの利点を有する一方、少なくとも一つの重大な弱点も有する。外科用メス材料としてシリコンは脆いという弱点を有する。シリコン、特に結晶性シリコンの脆弱性のため、外科用メスに必要な非常に鋭利なエッジが亀裂および破損しやすい。これは切開エッジを駄目にし、および/または外科部位に残る可能性がある材料の小片を撒き散らす可能性がある。例えば、眼科医がこのようなメスを使用してシリコン粒子または小片が患者の眼球の外科部位に残ると重大な問題となる。]
[0003] ガスクラスタイオンは共通の電荷を共有する多数の結合した原子または分子から構成されており、これらは高い総エネルギーを有するよう加速される。ガスクラスタイオンは衝撃で分裂し、クラスタイオンの総エネルギーは構成原子間で共有される。このエネルギー共有のため原子は、クラスタ化されていない通常イオンの場合よりも個別にはずっと弱いエネルギーを有しており、この結果、原子は従来のイオンよりもずっと浅く表面下に進入するだけである。表面効果は従来イオンによるものよりも大幅に強力であるため、他の方法では不可能な重要な微小規模の表面改良効果が期待できる。]
[0004] ガスクラスタイオンビーム(GCIB)処理の概念はつい近年になって出現した。物体のドライエッチング、クリーニング、およびスムージングのためのGCIBの使用、並びに膜形成のための使用が知られており、例えば米国特許5814194(デグチ他)“基板表面処理法(1998年)”で解説されている。何千ものガス原子または分子を含有するイオン化されたガスクラスタが形成され、数千電子ボルト程度の中程度のエネルギーに加速されるのでクラスタ中の個々の原子または分子は平均で数電子ボルト程度のエネルギーをそれぞれ有するだけである。例えば米国特許5459326(ヤマダ)において個々の原子は、プラズマポリッシングまたは従来のモノマーイオンビーム処理には典型的である残留表層損傷を発生させることになる表面から深く侵入する十分なエネルギーを持っていないと解説されている。いずれにしろ、硬質表面を効果的にエッチング、スムージング、またはクリーニングする、または他の表面改良を実施するため、クラスタ自身は十分なエネルギー(数千電子ボルト)を持っている。]
[0005] ガスクラスタイタイオン中の個々の原子のエネルギーは非常に小さく、典型的には数電子ボルトであるため、その原子は衝撃中に標的面のせいぜい数原子層だけに侵入する。この衝突原子による浅い侵入は、クラスオン全体によって運ばれるエネルギーの全てが結果的には極短時間で上表面層近くの極小体積部分内に散逸されることを意味する。これは、材料の表面および表面下特性の変化を提供するためにときには数千オングストロム侵入するような材料侵入を目的として通常は従来イオンによって実行されるイオンインプランテーションの場合とは異なる。クラスタイオンの高い総エネルギーと各クラスタの小さな相互作用性のため、衝撃部位にて堆積したエネルギー密度は従来イオンによる爆撃の場合よりもかなり大きく、その超常条件がその他の方法では達成不可能である浅い化学変換層の形成および浅いアモルファス化層の形成を含んだ材料改変を可能にする。
従って本発明の目的は、哺乳動物の医療外科手術で利用する外科用メスの原子レベルの表面スムージングのための方法および装置の提供である。]
[0006] 本発明の別な目的は、メスエッジの亀裂、削欠および破損の可能性を減少させるため、哺乳動物の医療外科手術で利用する外科用メスの表面改変のための方法および装置の提供である。]
[0007] 本発明のさらに別な目的は、哺乳動物の医療外科手術で利用する外科用メス切れ味の改良のための方法および装置の提供である。]
[0008] 本発明のさらに別な目的は、哺乳動物の医療外科手術で利用する外科用メスの表面をさらに親水的にするための方法および装置の提供である。]
発明が解決しようとする課題

[0009] 前述の目的および本発明のさらに他の目的や利点は以下のように達成される。]
課題を解決するための手段

[0010] 本発明の1実施態様は、切開エッジを有するシリコン外科用メスの改良方法を提供する。この方法は、減圧チャンバ内にメスを配置するステップと、減圧チャンバ内にガスクラスタイオンビームを形成するステップと、1以上の部分を滑らかにする(スムージング)、1以上の部分を鋭利化する、1以上の部分の化学組成を改変させる、1以上の部分に圧縮ひずみを形成する、1以上の部分の亀裂、削欠または破損の確率を減少させる、あるいは1以上の部分を親水的にするため、減圧チャンバ内でメスの切開エッジの1以上の部分にガスクラスタイオンビームを照射するステップとを含んでいる。
この方法は、減圧チャンバ内でのメスの再位置決めステップと、減圧チャンバ内でメスの1以上の追加部分にガスクラスタイオンビームを照射するステップとをさらに含んでいる。]
[0011] 本発明の別実施態様は、切開エッジを有するシリコン外科用メスの改良方法を提供する。この方法は、減圧チャンバ内にメスを配置するステップと、減圧チャンバ内にガスクラスタイオンビームを形成するステップと、1以上の部分を滑らかにする(スムージング)、1以上の部分を鋭利化する、1以上の部分の化学組成を改変させる、1以上の部分に圧縮ひずみを形成する、1以上の部分の亀裂、削欠または破損の確率を減少させる、あるいは1以上の部分を親水的にするため、減圧チャンバ内でメスの切開エッジの1以上の部分にガスクラスタイオンビームを照射するステップとを含んでいる。
この方法は、減圧チャンバ内でのメスの再位置決めステップと、減圧チャンバ内でメスの1以上の追加部分にガスクラスタイオンビームを照射するステップとをさらに含んでいる。]
[0012] 本発明のさらに別な実施態様は、前述の方法によって製造される外科用メスを提供する。このメスはシリコンまたは実質的にシリコンでよい。このメスは結晶性シリコンメスでよい。]
[0013] 本発明のさらに別な実施態様は、薄膜切開エッジを有する結晶性または多結晶性外科用メスを提供する。この結晶性または多結晶性メスはシリコンを含むことができる。この薄膜は約100nmまたはそれ以下の厚みでよい。この薄膜はSiO2、SiNXまたはSiCXを含むことができる。この薄膜は圧縮ひずみ影響下にあり、親水性表面を有しており、または実質的に非結晶でよい。本発明およびその他の目的のさらに深い理解のため、添付図面を利用して以下で詳細に説明する。]
図面の簡単な説明

[0014] 従来技術の結晶性および/または多結晶性外科用メスの多様な形態を示している。
本発明のガスクラスタイオンビーム処理システムの概略図である。
工作物ホルダを示すガスクラスタイオンビーム処理システムの一部の拡大図である。
本発明の1実施例による、切開エッジ斜面の片面を鋭利化するGCIB照射のための好適形態を示すメスの切開エッジ断面形状の拡大概略図である。図4Bは本発明の1実施例による、切開エッジ斜面の両面を鋭利化するGCIB照射のための好適形態を示すメスの切開エッジ断面形状の拡大概略図である。
本発明の1実施例に従った、GCIB照射のために固定具内に保持されたメスの切開エッジ断面を示す拡大外略図である。
本発明の1実施例による、エッジ特性を向上させるための切開エッジ斜面の片面のGCIB照射を示す切開エッジ断面の拡大外略図である。] 図4B
実施例

[0015] 図1から図1Eは、結晶性および/または多結晶性メスの多様な従来形態を示す。図1Aから図1Cは、知られた技術を用いて結晶性および/または多結晶性物質から形成できる多様なメス形態を部分的に説明するための代表的メスの平面図である。図1Dから図1Eは、図1Dに示すごとく多斜面であるか、または図1Eに示すごとく単斜面である切開エッジの側面をそれぞれ図示している。図1Aから図1Cに例示的に示す異なるメスの全体形状は単斜面形態または双斜面形態で製造できる。外科用メスが異なる方向性を備えた複数の表面を有することができるため、本発明の実施に必要とされるGCIB照射による表面処理の概念を幾分とも複雑にしている。] 図1 図1A 図1C 図1D 図1E
[0016] 図2は、外科用メス10の表面改質に利用される本発明のガスクラスタイオンビーム(GCIB)プロセッサ100の1実施例を示している。ここで説明する特定部品に限定されないが、プロセッサ100は通流状態である3つのチャンバ(ソースチャンバ104、イオン化/加速チャンバ106、およびガスクラスタイオンビームによる均質スムージングのために医療器具を設置できるユニークに設計された工作物ホルダ150を含んだ処理チャンバ108)に分割される真空容器102で構成されている。] 図2
[0017] 本発明による処理中、それら3つのチャンバはそれぞれ真空ポンプ146a、146bおよび146cにより適切な作業圧力に減圧処理される。シリンダ111内に収容された凝縮性ソース(種)ガス112(例えばアルゴン、O2、N2、メタン)は圧力下でガス計測バルブ113とガス供給管114を通って貯留チャンバ116へと供給され、適切に形状化されたノズル110を通って大きく減圧された空間内へと噴入され、超音速ガスジェット118を発生させる。噴射による膨張の結果として得られる冷却効果がガスジェット118の一部をそれぞれが数個から数千の弱く結合した原子または分子から構成されており、たいてい何百または何千個の原子または分子のサイズの分布を有するクラスタへと凝縮させる。ガススキマアパーチャ120は、高圧が有害であろう下流域(例えばイオナイザ122、高電圧電極126、および処理チャンバ108)内の圧力を最小化させるようにクラスタジェットからクラスタジェットへ凝縮されていないガス分子を部分的に分離する。適切な凝縮可能なソースガス112は、アルゴンまたは他の希ガス、窒素、二酸化炭素、酸素、窒素含有ガス、炭素含有ガス、酸素含有ガス、ハロゲン含有ガス、およびこれらまたは他のガスの混合物を含むがこれらに限らない。]
[0018] ガスクラスタを含有する超音速ガスジェット118が形成されると、クラスタはイオナイザ122内でイオン化される。イオナイザ122は典型的には1以上の白熱フィラメント124から熱電子を発生させ、それら電子を加速および方向付けし、ジェットがイオナイザ122を通過するガスジェット118内でガスクラスタと衝突させる電子衝撃イオナイザである。電子衝撃はクラスタから電子を飛び出させ、クラスタの一部をイオン化させる。適切にバイアスされた高圧電極126がイオナイザ122からクラスタイオンを抽出し、ビームを形成してクラスタイオンを所望のエネルギー(典型的には2KeVから100KeV)へ加速し、当初軌道154を有するGCIB128を形成するようにそれらを焦束させる。フィラメント電源136がイオナイザフィラメント124を加熱するための電圧VFを提供する。]
[0019] 陽極電源134が電圧VAを提供し、イオンを発生させるため、クラスタ含有ガスジェット118を爆撃させるようにフィラメント124から飛び出した熱電子を加速する。イオナイザ122のイオン化領域からイオンを抽出し、GCIB128を形成するため、高電圧電極をバイアスするためにイオン抽出電源138が電圧VEを提供する。総GCIB加速電位がVACCボルトとなるよう、高電圧電極をイオナイザ122に対してバイアスするために加速器電源140が電圧VACCを提供する。GCIB128を集束させるため、1以上のレンズ電源(例えば142および144)が電位(例えばVLIおよびVL2)で高電圧電極をバイアスするように提供される。]
[0020] 図3は、GCIB128の通路内に配置され、工作物ホルダ150上に保持されているGCIBプロセッサ100を用いてGCIB照射によって処理される1以上の外科用メス10を図示する。外科用メス10の1以上の表面または表面領域の均一処理を実行するため、工作物ホルダ150は外科用メス10を特定方法で位置決めおよび/または操作するために以下で述べるように設計されている。] 図3
[0021] 後述するが、本発明は処理中の外科用メス表面に対するGCIB入射角を制御する能力によって実現される。外科用メスは異なる方向の複数の面を有するため、外科用メスをGCIBとの関係で位置決めおよび方向付けできることが望ましい。これには、所望の表面改変効果のための好適なGCIB入射角内で、改変対象の外科用メス10の全対象表面を配向するために自在に折り曲げられる性能を備えた固定具または工作物ホルダ150を必要とする。特に外科用メス10をスムージングするとき、工作物ホルダ150はGCIBプロセッサ100の端部に配置された機構152によって回転および折り曲げられる。この折り曲げ/回転機構152は好適には縦軸154周囲で360度の装置回転と、視射角のビーム入射から直角のビーム入射までのビーム入射角で外科用メス切開面をGCIBに露出させるべく、軸154に直交する軸157周囲での十分な装置折り曲げを可能にする。]
[0022] 図2は、条件次第では、処理対象の外科用メス10の面積や広がり程度によって、または複数のメスが同時的に処理される場合には、メスのGCIB128での均一照射を提供するために望ましい走査システムを図示している。GCIB処理には必要ではないが、拡張された処理領域にラスタまたは他のビーム走査模様を提供するために2対の直交した静電走査プレート130と132が利用できる。そのようなビーム走査が実行されるとき、走査発生器156がX軸とY軸の走査信号電圧をリード線ペア158と160のそれぞれを介して走査プレート130と132へ提供する。走査信号電圧は、外科用メス10の全面または拡張領域を走査する被走査GCIB148へとGCIB128を変換させる異なる周波数の三角波でよい。] 図2
[0023] 拡張領域でのビーム走査を望まない場合は、処理は一般的にビーム径で定義される領域に限定される。外科用メス表面でのビーム径は、工作物にて所望のビーム径を提供するため、1以上のレンズ電源(例えば142と144)の電圧(VLIおよび/またはVL2)を選択することで設定できる。]
[0024] 図4Aは本発明の1実施例による、切開エッジ斜面の片面を鋭利化するためのGCIB照射の好適形態を示す外科用メス10’の切開エッジ200の断面の拡大概略図である。切開エッジは表面202と当初切開エッジ半径204とを有しており、例えばシリコンなどの結晶性または多結晶性材料から形成されている。切開エッジは鋭利であり、切開エッジ半径204は例えば約5nmから数百nm程度である。本発明の1実施態様によれば、メスの切開エッジ斜面の一部分212(サイズは誇張)をエッチング除去するため、外科用メス10’の切開エッジはGCIBを用いてメス形状を変えることで追加的に鋭利化され、鋭利な新しい切開エッジ半径206を有する新たな切開エッジ斜面214となる。] 図4A
[0025] 例えば40nmの当初切開エッジ半径204は、部分212から約10nmから40nmの厚みの除去で、例えば20nm以下の鋭利な新しい切開エッジ半径206となる。多様な当初切開エッジ半径に対しては、除去部分212の異なる厚みを選択することで、数nmから数十nmまたは数百nm(いずれにしろ当初切開エッジ半径204以下)の新しい切開エッジ半径206を達成するために、異なる鋭利化効果を選択することが可能である。このような処理のため、切開エッジを形成するようにGCIB照射を単切開エッジ斜面(図4A)、または双切開エッジ斜面(図4b)の両方において実行できる。片側または両側の切開エッジ斜面から除去されるメス材料(本例ではシリコン)の部分212の厚みは、典型的には100nm未満であり、さらに典型的には切開エッジの当初半径204以下である。図4Aは切開エッジ面の切開エッジ面のGCIBエッチングによる部分212の除去を図示している。GCIB128は視射角(0度)と直角(90度)の入射角範囲210に入る入射角208にて切開エッジの表面202に方向付けられている。さらに勝る切れ味効果を提供するためには90度以下の入射角が好適である。オプションで、切開エッジ斜面から望む面積の部分212を除去するよう、GCIBは切開エッジ斜面に対して処理することができる。] 図4A
[0026] 結晶性または多結晶性メスをエッチングするための好適なガスクラスタイオンビームは、(i)アルゴンまたは他の希ガス、あるいはその他の不活性ガス、(ii)ハロゲンまたは揮発性副産物を形成しながらシリコンまたは他の材料をエッチングできるハロゲン化合物であるガスなどの化学反応ガス、あるいは(iii)処理後に従来の化学エッチングによって除去できるSiO2またはSiNXなどの非揮発性化合物を形成するO2、N2またはNH3などの化学反応ガス、から形成されている。GCIBエッチングは約2kVから100kVの範囲内のGCIB加速電圧を用いて約1014から約1017ガスクラスタイオン/cm2の範囲内のGCIB照射量で実行される。GCIBクラスタイオンは表面衝撃で崩壊し、それらの運動エネルギーの多くは表面への入射に対して横方向へ方向付けられる。これは表面スムージング効果を提供し、切開エッジを鋭利化するためのGCIBエッチングは鋭利化されたメスエッジの切開特性を向上させる効果を有する切開エッジ斜面のスムージング効果をも提供する。]
[0027] 図4Bは本発明の1実施例による、切開エッジ斜面の両面を鋭利化するGCIB照射のための好適形態を示すメス10”の切開エッジ断面250の拡大概略図である。この切開エッジは表面252と当初切開エッジ半径254とを有しており、シリコンなどの結晶性または多結晶性材料から形成されている。この切開エッジは鋭利であり、よって切開エッジ半径254は例えば約5nmから数百nm程度である。] 図4B
[0028] 本発明の1実施態様によれば、外科用メス10”の切開エッジは、メスの切開エッジ斜面の両面の部分262(サイズは誇張)をエッチング除去するためにGCIBを用いてメス形状を変えることによって追加的に鋭利化され、鋭利な新しい切開エッジ半径256を提供する新しい切開エッジ斜面264となる。例えば40nmの当初切開エッジ半径254は、約10nmから40nmの部分262の除去によって、例えば10nm以下の鋭利な新しい切開エッジ半径256となる。鋭利化する目的で部分262を除去するために両方の斜面エッジがGCIBエッチングされる場合、GCIB128が切開エッジを2度照射することが望ましく、最初に切開エッジの表面252にGCIB128を視射角と直角との間の角度範囲260に入る入射角258にて方向付け、その後に切開エッジの表面272にGCIB128を視射角と直角との間の角度範囲270に入る入射角259にて方向付ける。この場合、入射角は両面とも90度以内であることが望ましい。前述のようにGCIBは、オプションで望むだけの切開エッジ斜面面積から部分262を除去するために切開エッジ斜面に対して走査処理することができる。]
[0029] 図5は本発明の1実施例に従った、GCIB照射のために工作物ホルダ150に取り付けられた固定具302内に保持された外科用メス10”の切開エッジ断面300を示す拡大外略図である。この固定具は切開エッジアール部の最外側エッジのメカニカルマスキングを利用して、マスクされた部分のGCIBエッチング防止により先端鋭利度を最良化している。外科用メス10’’’は斜面角316を有しており、固定具302のマスキングエッジ304に当接して取り付けられている。マスキングエッジ304は、切開エッジの全部分の切開エッジ半径をマスクすべく、メスの切開エッジの外側形状に沿って形状化されている。斜面片側の表面310はGCIB128によって、視射角から(斜面角316から90を引いた角度)までの角度範囲314内で表面310へビーム入射角312にて照射される。] 図5
[0030] 外科用メスの鋭利化およびスムージングに加えて、本発明のさらに別な実施態様では、結晶性または多結晶性メスの機械的特性を向上させるためにGCIB照射が利用される。前述したシリコン切開エッジ固有の脆弱性(およびそのための亀裂、破砕および/または破損傾向)がGCIB改変によって向上する。シリコン表面の物理的および/または化学的組成を変化させるためにGCIBを利用することができ、亀裂、破砕または破損しにくい表面とすることができる。不活性GCIBを利用することで、薄表面膜内の結晶性を破壊することによってシリコン表面を非結晶化することができ、その結果機械的強度を向上させることができる。あるいは、化学反応性GCIBを利用することで、切開エッジの薄表面膜の化学的組成を改変することができる。このようなSiNx膜などの改変表面膜は、元来の結晶性または多結晶性材料よりもさらに強く耐久性のある材料となる。化学反応性GCIBが反応して改変薄表面膜を形成し、非揮発性化合物を組み込む反応によって追加的材料を薄膜に組み込むか、または膜が非結晶化される場合、その膜は膜の亀裂または破損の可能性を減少させる圧縮ひずみ影響下に置かれる。シリコンメスの切開表面をGCIB処理によって親水性とすることもできる。GCIB形成のために異なるソースガスを用いての化学的組成変化、非結晶化変化、および表面親水性化の例を表1に示す。]
[0031] 図6は、表1に表示するプロセスのための本発明の1実施例による、結晶化または多結晶化メスの切開エッジ斜面の片面の表面改変のためのGCIB照射のための好適形態を示す外科用メス10’’’の切開エッジ断面400の拡大概略図である。切開エッジは表面402を有しており、シリコンなどの結晶性または非結晶性材料から形成されている。表1から選択される特性を有するGCIB128は、望む変換に応じて、視射角と直角との間の角度範囲210に入る入射角208にて切開エッジ表面402に方向付けられる。切開エッジの鈍化を防止するので入射角は90度未満が望ましい。GCIBは変換膜404(サイズは誇張)を照射面402に形成する。変換膜404の厚みは選択されたGCIB量と加速電圧により変動するが、せいぜい約10nm程度から約100nmほどまでの範囲で選択できる。前述のように、望むだけの切開エッジ斜面面積の変換表面を形成するよう、GCIBはオプション切開エッジ斜面に対して走査処理できる。切開エッジの最外側エッジをマスクするために図5で図示した固定具を使用できる。望むなら、折り曲げ工作物ホルダ150(図3)を用いてメスを再位置決めするか、またはメスを保持固定具302(図5)内に取り付け直して切開エッジの両斜面を処理できる。] 図3 図5 図6
[0032] 本発明の様々な実施態様について説明したが、請求の範囲に記した技術的思想および範囲内で本発明は多様な別実施態様でも実施できる。]
权利要求:

請求項1
切開エッジを有する結晶性または多結晶性外科用メスの改良方法であって、減圧チャンバ内に前記メスを配置するステップと、前記減圧チャンバ内にガスクラスタイオンビームを形成するステップと、a)前記メスの前記切開エッジの1以上の部分を滑らかにするため、b)前記1以上の部分を鋭利化するため、c)前記1以上の部分の化学組成を改変させるため、d)前記1以上の部分に圧縮ひずみを形成するため、e)前記1以上の部分の亀裂、削欠または破損の確率を減少させるため、またはf)前記1以上の部分を親水的にするめに前記減圧チャンバ内で前記メスの前記切開エッジの1以上の部分に前記ガスクラスタイオンビームを照射するステップと、を含んでいることを特徴とする切開エッジを有する結晶性または多結晶性外科用メスの改良方法。
請求項2
切開エッジを有するシリコン外科用メスの改良方法であって、減圧チャンバ内に前記メスを配置するステップと、前記減圧チャンバ内にガスクラスタイオンビームを形成するステップと、a)前記メスの前記切開エッジの1以上の部分を滑らかにするため、b)前記1以上の部分を鋭利化するため、c)前記1以上の部分の化学組成を改変させるため、d)前記1以上の部分に圧縮ひずみを形成するため、e)前記1以上の部分の亀裂、削欠または破損の確率を減少させるため、またはf)前記1以上の部分を親水的にするために前記減圧チャンバ内で前記メスの前記切開エッジの1以上の部分に前記ガスクラスタイオンビームを照射するステップと、を含んでいることを特徴とする切開エッジを有する結晶性または多結晶性外科用メスの改良方法。
請求項3
減圧チャンバ内でメスの再位置決めするステップと、前記減圧チャンバ内で前記メスの1以上の追加部分にガスクラスタイオンビームを照射するステップと、をさらに含んでいることを特徴とする請求項1または2記載の切開エッジを有する結晶性または多結晶性外科用メスの改良方法。
請求項4
請求項1から請求項3のいずれかの方法によって製造される外科用メス。
請求項5
前記外科用メスはシリコンメスであることを特徴とする請求項4記載の外科用メス。
請求項6
前記外科用メスは結晶性シリコンメスであることを特徴とする請求項4記載の外科用メス。
請求項7
薄膜切開エッジを有する結晶性または多結晶性外科用メス。
請求項8
前記結晶性または多結晶性メスはシリコンを含むことを特徴とする請求項7記載の外科用メス。
請求項9
薄膜は100nm以下の厚みであることを特徴とする請求項7記載の外科用メス。
請求項10
前記薄膜は、SiO2、SiNX、SiCXを含み、圧縮ひずみ影響下にあり、親水性表面を有しており、非結晶であることを特徴とする請求項7または請求項8記載の外科用メス。
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优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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